歯医者の問診票、どうして重要？

歯科医院にいくと、まず診察前に詳細な問診票を記入します。
この問診票には、持病や現在服用している薬、過去の病歴について尋ねる項目が含まれています。
一見、口腔内の健康とは直接関係がないように思えるこれらの質問ですが、これらの情報が不完全であると、歯科治療中や治療後に予想外のリスクが生じることがあるのです。

たとえば、糖尿病の患者は一般的に血糖値の管理が難しく、これは歯周病の進行を加速させる要因となります。
また、心臓疾患を抱える患者は、感染症に対する耐性が低いため、歯科治療中の感染リスクが高まる可能性があります。

次に、抗凝固薬を使用している患者の場合を考えてみましょう。
抗凝固薬は血液の凝固を抑制するため、歯の抜歯や手術時に出血が止まりにくくなるリスクが伴います。
加えて、ステロイドや免疫抑制薬を服用している患者は治癒力が低下しており、手術後の感染症リスクが高まります。

さらに、ビスホスホネート製剤という骨の代謝を抑制する薬を服用している場合、顎の骨が壊死する恐れがあります。
このようなリスクを回避するためには、歯科医師が事前に病歴と薬の情報を詳しく把握しておくことが欠かせません。

これらの理由から、患者が提供する情報は、歯科医師が安全で効果的な治療計画を立て、副作用を最小限に抑えるために必要なのです。
正確で詳細な情報を提供することで、リスクを最小限に抑え、最適な治療結果を得ることができるのです。

したがって、定期的な歯科検診や緊急の治療であっても、問診に記入する内容を正確かつ詳細に伝えることが大切です。
それが、あなたの健康を守るための第一歩となります。